誰よりも、優しい人(キュピパラ アランへの叫び)

※このパッションをどうにかしないと前へ進めないので、キュピパラの感想というよりメインはアランへの叫びです※

 

隠しを除いて残すところアランだけになって、思ったよりファンタジー要素なかったな…て思ったんです

 

最後の最後で怪獣映画に急ハンドル切ったりするルートもあるけど、相手を好きになる過程にファンタジー要素はほぼない

 

だから普通の人間の女の子として人間の男と恋して結婚して、普通に生きてほしいとずっと願っていたアランを知ってしまい、

ますます他のルートが好きになった

 

恋を自覚していく描写が恐ろしいくらいうまいキューピッド・パラサイトですが、

アランの「普通の人間の女の子として普通の人間と恋して結婚して普通に生きてほしい」という願いによって、

その丁寧な恋愛過程の描写がますます輝いて威力を発揮する

 

 

人間として当たり前にある感情と変化を丁寧な描写で掘り下げてくれるギル、シェルビー、ラウル、螢彩院くん√が好きだ………

 

でも一番撃ち抜かれたのは、キューピッドの矢で強制的に相手のことを好きになってしまうアラン√なんだ…

 

 

自分を捻じ曲げて愛する人に合わせて尽くそうとするギルが自分の夢を追いかけ始めて嬉しいはずなのに、

すれ違いが増えてギルにはギルの人生があることに気づいて、

そこで始めて「寂しい」という感情を神様が獲得するまでを丁寧に掘り下げるギル√が好き

 

この年になるともう秘密のオフィスラブ❤みたいなのは普通に胃がキリキリするからきつかったが、

代表取締役社長が住んでいるにしてはあまりに普通で、ずっと噓をつき続けていた象徴でもある一人暮らしのワンルーム

ありのままの自分を見せて告白してセックスしてデリバリーでご飯食べる普通のカップルのシェルビー√が好き

 

「燃えるような恋が、やがて日向のような愛になる。その過程を、きっと彼となら一緒に知っていける」

華やかなムービースターとのレッドカーペット・ラブストーリーも

 

螢彩院くんが蕾が花開くように、リネットへの恋を自覚するのも好き

 

 

 

でも私にはアランなんだ………

 

 

 

キューピッドの矢でアランのことを強制的に好きにさせられちゃうから最初はまったくのれなかったんだけど、

ギリシャでアランの慟哭を聞くあたりにはもう完全にリネットが憑依してて、キューピッドの矢なんかなくたってアランのことしか見えない!!!て状態だった

 

キューピッドの矢なんかなくたって、アランが優しい人だって、自分を傷つけるはずないって、ずっと自分を守っていてくれたって知ってるから……

 

噓をつくのが下手くそで不器用すぎて、一旦リネットと深く関わってしまうと彼女を守り切れなくなってしまう

 

 

アランが結婚を誓うときにした「誠実で真面目で臆病なキス」

これがアランの本質だよね

 

リネットなんて人間より神が優れているわけないと証明するために人間界に家出したくらいなのに、アランは神を使い捨てにする十二神を知ってなお、神は人間を導くものだと信じて、神を呪う自分を責めまくっている

 

そんなアランだから、何百年も罪悪感を失うことなくインキュバスであり続け、その高潔な魂を失わなかった

 

真面目過ぎるが故に自分を削るような生き方しかできないアランが好きだ

 

自分の形を変えて相手に合わせて尽くそうとするギル

自分の心を削ってリネットの生きる道を探し続けたアラン

 

 

リネットを人間として幸せにしたかった、汚らわしい悪魔になんて近づいて欲しくなかったアランにとって自√はある意味一番つらいルートでもある

結局どのルートでも痛い生き方してるアランが不器用で大好き

 

アランが削り続けた心の分だけ、リネットにはアランを愛してあげてほしい

 

 

 

 

アラン√はリネットもアランと同じように相手も自分も燃やし尽くす情熱的なマニアの恋をしていてめちゃくちゃ好きな女だった

 

恋を司るキューピッドなんだから、当然仕事より恋!

キューピッドの仕事もCCの仕事も好きな人のためなら投げ出しちゃう!

もうすぐ消えてしまうかもしれないなら、一目でもいいからアランに会いたい!

 

天界で離れ離れになったときは自分のほうから手を離してしまったけど、最後には空から落ちていくアランの手を自分から掴みにいったリネット……

 

 

 

 

最後の海でのプロポーズはもう完全に誰も触れない二人だけの国状態で、このルートを終わらせるのが嫌で、ボタンを押すのがつらかった

 

キュピパラ、最後はそれぞれの形の結婚式やらドレスやら描かれるから、

アラン√に来る頃にはもう二人だけの結婚式しか残ってないでしょうと思っていて、実際にそれに近いものがきたけど、想像以上だった

 

天界を思い起こす夕方の海で、昔やってた結婚式ごっこの延長線上でプロポーズするのが最高だった

オタクの好きなものしかなかった

 

しかもそこには華やかなドレスも結婚式場も人々の祝福の声もない

 

あるのは花の指輪の代わりの銀色の指輪だけ

 

静かな夕方の海辺で二人きり、あの頃の結婚式ごっこの延長線上で、永遠を誓い合う二人………

 

アランがリネットを人間にするためにした世界で一番ひどいキス、

リネットの魂を汚して堕天させる二人で永遠に一緒にいるためのキスと感情がジェットコースターになるようなキスばかりだったので(それも好きだけど)

 

最後に結婚を誓うため誠実で真面目で臆病な、アランを象徴するかのようなキスで終わったのがめちゃくちゃ良かった

 

アラン√、神を使い捨てとして消費する現状はまったく変わってないし、恋と結婚の神様がいなくなったせいで結婚率もやばいらしいし(あくまで神目線ですが)

問題は全然解決してない

 

アランとリネットの恋が世界や神様を救うわけでもない

 

壮大なファンタジーというよりお互いのことをただ求めていただけの神様と悪魔のラブストーリーだった

 

 

対の天使として時間の概念もない天界でお互いの気を惹くために過ごしていたあの150年間のように、

アランとリネットが離れ離れになることなくずっと一緒に笑って過ごせますように

 

おわり